私が「あとから開けられる包み紙」にこだわり続ける理由。

口に触れるものだからこそ。インテリア雑貨のプロが、行き着いた「優しすぎるラッピング」の秘密。
こんにちは。株式会社amane 小林です。
私は20年以上、インテリア雑貨という「暮らしを彩るモノ」の業界で仕事をしてきました。
実際に店舗のカウンターに立ち、お客様と直接お話しをしていた時期も長くあります。
その20年の中で、数え切れないほど耳にしてきた、言葉があります。
「これ、ギフト用にラッピングをお願いできますか?」
その瞬間のお客様のどこか嬉しそうな表情を見るたびに、私はお客様の「大切な人へ贈る気持ちを最高の形でお届けするお手伝いがしたい」と、いつも緊張しながらラッピングをしていた事をよく覚えています。
むき出しでは渡せない、ある「理由」
現在、私はカトラリー(スプーンやフォーク)を販売しています。
カトラリーというプロダクトは、少し特殊です。なぜなら、「大切な人の口に、直接触れるもの」だから。
どんなにデザインが美しくても、どんなに職人の技が光っていても、お渡しする時にむき出しのままでは、どこか寂しい。それどころか、衛生面での安心感や、贈りものとしての「格」も半減してしまう気がしたのです。
「口に入れるものだからこそ、手元に届いたときに包まれていた方が嬉しいのではないか。」
それが、私がブランドの立ち上げ当初から、頑なにギフト包装サービスをセットでご用意してきた一番の理由です。
「手紙を入れ忘れた…」をなくす、後から開けられるデザイン
では、どんな包装が、贈る人にとっても、もらう人にとってもベストなのか。
そこで、接客をしていた頃のある「お客様の姿」を思い出したのです。
ギフトを包み終えてお渡ししたあと、「あ、そうだ。手紙を書き忘れたから、中に入れられますか…?」と少し申し訳なさそうに仰るお客様が、いらっしゃいました。
一般的なギフトラッピングは、一度開けてしまうと、綺麗に元に戻すのが難しいものがほとんどです。
「もしかしたら、手紙やメッセージカード、他にも一緒に渡したいものがあるかもしれない」
そう考えた私は、【あとからきれいに開けて、もう一度自分で閉じることができる包装】という、少し変わった仕組みのパッケージを設計しました。
これなら、渡す直前に「おめでとう」の手紙をそっと忍ばせることができます。ギフトの準備という愛おしい時間を、自分のペースで楽しんでほしかったのです。
記憶の引き出しから見つけた「ワクワクする包み紙」
パッケージの仕組みは決まりました。では、デザインはどうするか。

ここで私の脳裏に鮮烈に蘇ってきたのが、私の原風景でした。
子供の頃、夕暮れ時にお肉屋さんへ行き、揚げたてのコロッケを買った時のことです。
おじちゃんが、油の染みたあの独特の茶色い包み紙に、コロッケをポンと入れて手渡してくれる。
家に持ち帰るまでの間、紙袋からじわっと伝わる温かさと、香ばしい匂い。
「早く食べたい!」と、足早になりながら感じていた、あの何とも言えない強烈なワクワク感。
「あのコロッケの包み紙を開ける時の高揚感を、大人になった今、ギフトパッケージで再現できないだろうか」
洗練された、どこか冷たい高級感ではなく、触れた瞬間に体温が上がるような、懐かしくて愛おしいデザイン。
そうして完成したのが、私たちのブランドの代名詞でもある、現在のパッケージです。
手渡す瞬間を、世界一愛おしい時間に。たかが包み紙、されど包み紙。
私たちが本当にお届けしたいのは、カトラリーという「モノ」だけではありません。
それを箱に詰め、リボンをかけ、手紙を添えようかと思案する「時間」そのものであり、相手に手渡した瞬間の「笑顔」です。
子供の頃、コロッケの袋を握りしめてワクワクしたあの純粋な気持ちを、今度はあなたが、大切な人へと手渡してみませんか?
あなたの想いが、あの温かい包み紙に乗って、まっすぐ届きますように。
