米をつくってみることにした。

8月上旬、山と川に囲まれた、田んぼが広がる場所。
今年、米づくりを始めました。
以前から、自分たちが食べるものは、自分たちの手で作っていきたいと思っていました。
野菜は庭で。
そして米は?
ただ、田んぼは簡単に借りられるものではありません。
そして、続けるなら自宅から無理なく通える場所であることも大切です。
いろいろと探していたものの、田んぼを借りられる場所がなかなか見つからず苦戦していたところ、
知り合いを通じたご縁がつながりました。
そこで出会ったのが、使われなくなった田んぼを活用しながら、
自然栽培の米づくりを次の担い手へ伝える活動をしている方々です。
自宅からも車で1時間ほどで通える場所で、
初年度の今年は研修生として、種もみから始まる米づくりを一から教わっています。
はじまりは、「食べるものを自分でつくりたい」から。
米づくりを始めたきっかけのひとつには、近年の米問題もありました。
ただ、それだけではありません。
家具や生活雑貨など、ものづくりに関わる仕事をしてきた中で、
仕事では工場へ行って職人さんと一緒に手を動かし、家では料理をしたり、庭で野菜を育てたり。
考えてみると、昔から「自分の手で何かをつくること」が好きでした。
家具もつくる。
道具もつくる。
料理もする。
野菜も育てる。
だったら、その先にある「食べるもの」として、「米」も自分でつくってみたい。
そんな気持ちが、少しずつ米づくりへ向かわせました。
一杯のごはんができる、そのずっと手前から。

今年の研修では、田植えだけを体験するわけではありません。
まずは塩水を使って種もみを選別する「塩水選」から始まり、
苗を育て、田んぼを整え、田植えをする。
そして稲を育て、秋に収穫する。
普段何気なく食べている一杯のごはんの、ずっと手前から経験します。
育てている稲は、その土地で長く作られてきた品種です。
田んぼのある地域は風が強いため、背丈が高くなりすぎず、風で倒れにくい、
その土地に合った品種が選ばれています。
実際にやってみると、知らなかったことばかり。
同時に、少しずつ大きくなっていく稲を見るのは、思っていた以上に嬉しいものです。
米は、一人ではつくれない。


もうひとつ、始めてみて分かったことがあります。
田んぼは、自分の場所だけを気にしていればいいわけではありません。
水路は、周りの田んぼとつながっています。
いつ水を入れるのか。
いつ田植えをするのか。
いつ水を抜き、収穫するのか。
周囲の農家さんたちと話しながら、タイミングを合わせて進めていきます。
一人で完結するものだと思っていたわけではありませんが、
実際に田んぼに入ってみると、人とのつながりの中で米が育っていることを実感します。
これは、普段のものづくりにも少し似ています。
商品も、企画する人だけでは完成しません。
素材を扱う人。
加工する職人。
届ける人。
使う人。
色んな人が関わることで、一つのものが形になります。
つくるものは違っても、どこか通じるところがあるのかもしれません。
あと何回、米をつくれるだろう。


米づくりを教わりながら、ふと考えたことがあります。
米をつくれるのは、一年に一度だけ。
この道50年の人でも、経験できる米づくりは50回です。
そう考えると、自分がこれから経験できる回数も、意外と多くありません。
「もっと早く始めればよかったな」と思いました。
今年は研修生として、まずは秋の収穫まで。
そして来年からは、自分たち家族が食べる分のお米を、自分の田んぼで育ててみたいと考えています。
家具も、道具も、料理も、野菜も、そして米も。
少しずつ形は違っても、根っこにあるのはきっと同じです。
「自分の手で、つくってみたい。」
その気持ちを大切にしながら、まずは目の前の米づくりを楽しみたいと思います。
次はいよいよ、稲刈りへ。
自分たちで育てたお米を収穫し、新米をいただくところまで、またブログにてお伝えできたらと思います。


[…] てもらいながら、田植えから実際に田んぼに入って取り組んでいます。8月のブログ「米をつくってみることにした。」では、米づくりを始めたきっかけや田植えの様子を紹介しました。 […]